RIMS共同利用 / 基研研究会 「量子科学における双対性とスケール」

2009年11月4-6日 京都大学 基礎物理学研究所 湯川記念館 Panasonic国際交流ホール

場所

京都大学 基礎物理学研究所 湯川記念館 Panasonic国際交流ホール

趣旨

物理現象の数学的な記述・理解に関わる従来の標準的方法論は,理論展開の統一的普遍的出発点となるミクロ(量子)系を直観的帰納的に探り当て,そこからの厳密な数学的演繹的理論展開によって,実験的検証が可能な諸帰結を導出することに主眼を置く。そこでの理論的出発点が一意的に定まるなら,その探究過程を直観的帰納的推論に委ねても問題ないが,実験的検証とその精度の有限性に関わる諸制約のため,一意性は期待できない。従って,不可視のミクロ動力学が如何に可視化=マクロ化するか?というミクロ→マクロ方向の演繹的推論だけではなく,マクロデータとその幾何構造・制御変数から,それらを産み出したミクロ系を適用限界と整合する形で理論的に再構成し,動的マクロ過程の再現・制御が可能になるように「逆問題」を理論的に考察することが不可欠である。  この目的のため,「ミクロ・マクロ双対性」の方法論は,群とそのフーリエ双対やそれらの環作用に伴う接合積構成のガロア的双対性を系統的に動員した方程式論的視点に立って,上記問題の理論的統一的扱いを目指す。このような視点からの見直しにより,この数年間,量子場理論・量子統計力学,量子確率論・量子情報理論等々における基本的諸問題に新たな検討が加えられ,エントロピー概念とその加法構造をスケール変換の視点から見直す課題を含めて,多様な理論展開がなされてきた。そうした文脈で,マクロ時空の幾何構造をミクロの物理的過程からの創発としてその物理的出自を明らかにし,そこから局所ゲージ構造,紫外発散とくりこみ理論の物理的本質を明らかにする課題や,カラー閉込めの問題,異なるスケールレベルでの諸理論相互の関係に対する変形論的アプローチ等々の解明が,今後この立場から解決を目指すべき基本的諸問題である。関連した個別分野の幾つかのテーマをとり上げながら,このような一連の課題を掘り下げるために共同研究を行う。

プログラム(講演資料順次掲載中)

世話人

堀田 昌寛 (所属:東北大学)
谷村 省吾 (所属:京都大学)
筒井 泉 (所属:高エネルギー加速器研究機構)
佐々木 隆 (所属:京都大学 基礎物理学研究所)
清水 明 (所属:東京大学)
細谷 暁夫 (所属:東京工業大学)
早川 尚男 (所属:京都大学 基礎物理学研究所)
小嶋 泉 (所属:京都大学 数理解析研究所)

過去の研究会

2008年報告書(RIMS Kokyuroku vol. 1658) at 京都大学数理解析研究所 (2008年11月4日-6日)
2007年報告書(RIMS Kokyuroku vol. 1609) at 京都大学数理解析研究所 (2007年10月15日-17日)
2006年報告書(RIMS Kokyuroku vol. 1565) at 京都大学数理解析研究所 (2006年12月25日-27日)
2005年報告書(RIMS Kokyuroku vol. 1507) at 京都大学数理解析研究所 (2005年11月21日-23日)

連絡先

鹿野 豊 (所属:東京工業大学,MIT)
電話 +1-617-319-6155
メール:shikano_at_th.phys.titech.ac.jp "_at_"を"@"に変えて送ってください。
本HomepageはRIMS共同利用 / 基研研究会 「量子科学における双対性とスケール」の講演資料を掲載するために作成されたページです。

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