研究目的:ヘビークォーク(HQ)を含むバリオン状態に関連する物理を理論的に研究することが本計画の目的である。HQバリオンのスペクトルや内部構造をクォーク描像とハドロン描像を併用しながら解明し、HQバリオン-核子間の相互作用を導くことで、ヘビークォークを含んだ原子核(HQ原子核)の束縛の可能性、HQバリオンの核媒質中での性質などを議論する。 ヘビークォークを含むハドロンの研究は、これまでのハドロン分光学やエキゾティック状態の研究において中心的な役割を果たしてきたストレンジクォークの物理に新たなスケールを導入し、ストレンジネスの物理からヘビークォークを含むより広いエネルギー領域でのクォーク・ハドロンダイナミクスの解明を通じて、新たなハドロンの存在形態を明らかにする。 実験でHQバリオンを観測する際の生成機構の解明にも力を入れ、既存の実験結果の定量的再現を基礎に信頼しうる反応模型を構築し、新たな現象を予言する。
具体的な課題:
課題1. HQバリオンのスペクトル、内部構造の研究
HQバリオンのスペクトルをQCDの対称性に基づいて分類し、HQバリオン内のクォーク自由度のダイナミクスを研究する。ハドロン有効模型に基づいたハドロン分子状態の可能性も議論し、クォークとハドロン双方の自由度を用いてHQバリオンの構造を多角的に解明する。
課題2. HQバリオンと核子の相互作用、HQ原子核の研究
HQバリオンの構造研究に基づいて中間子との結合を評価し、中間子交換描像によるHQバリオンと核子の間の相互作用ポテンシャルを導く。得られたポテンシャルを用いてHQバリオンが原子核中に束縛される可能性を検討する。
課題3. HQバリオン、HQ原子核の生成の可能性の探求
電子陽電子対消滅によるHQを1個あるいは2個含むバリオンの生成反応を研究し、定量的な断面積の予言を行う。
関連する発表論文
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