平成17年度に発足した科研費特定領域「ストレンジネスで探るクオーク多体系」は若手理論研究者の育成を目的の1つとしています。その一環として、学部4回生及び修士1年生を主な対象としたサマースクールを実施しています。本年度は特定領域の最後の年となりました。
本年は、以下のようなテーマと講師による実践講座を行います。
・光と中間子の反応でハドロンの超ミクロな世界をのぞいてみよう(ハドロン計算) 保坂淳(阪大RCNP)、慈道大介(京大基研)
・目で見てみよう、ハイパー核の「形」!(AMD計算) 土手昭伸(KEK)、木村真明(北大)
・「精密計算からハイパー核の構造のダイナミクスを解き明かしてみよう」(変分法) 新村昌治(岐阜大)、肥山詠美子(理研)
本サマースクールは、下記のスケジュールにあるように、1日目に、コンピュータに関するオリエンテーション、2日目、3日目に講義、実践講座、最終日の成果発表から構成されています。初日(8月4日)の講義はどなたでも参加できます。実践講座に参加される方は全日程(4日間)への参加が原則となります。また、実践講座に関しては、参加者の調整を行う場合がありますのでご容赦ください。
なお、実践講座では、実際に計算コードを操作し、数値計算を行います。プログラム言語としてFORTRANを用いますが、FORTRAN言語についてのオリエンテーションも行います。
世話人:岡真(東工大)、板橋健太(理研)、梅谷篤史(理研)、塚田暁(理研)、池田陽一(東大/理研)、肥山詠美子(理研)
申し込み先/問い合わせ先
肥山詠美子 理化学研究所 仁科加速器研究センター
肥山ストレンジネス核物理研究室
e-mail:hiyama@(全角)riken.jp
プログラム
8月4日(火) 9時開始 場所:RIBF棟2F大会議室
9:00〜10:15 「原子核中の中間子の性質と中間子原子核」比連崎悟(奈良女大)
10:15〜11:30 「ハイパー核物理の現在と将来」田村裕和(東北大)
11:30〜12:05 「いよいよ始まるJ-PARC実験」永江知文(京大)
12:05〜13:30 昼食
13:30〜14:30 3テーマに関するオリエンテーション
14:30〜 コンピュータに関するオリエンテーション
18:30〜 懇親会
8月5日(水)
9:00〜 9:30 「カイラル動力学に基づくLambda(1405)の構造」兵藤哲雄(東工大)
9:30〜12:00 実践講座
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:00 実践講座
15:00〜15:30 休憩
15:30〜16:00 「KbarNN核の構造とチャンネル結合Faddeev方程式」池田陽一(東大/理研)
16:00〜18:00 実践講座
8月6日(木)
9:00〜9:30 「格子QCDによる核力ポテンシャル」石井理修(東大)
9:30〜12:00 実践講座
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:00 実践講座
15:00〜15:30 休憩
15:30〜16:00 「物質質量の起源を実験的に探る」佐久間史典(理研)
16:00〜18:00 実践講座
8月7(金)
9:00〜 成果発表